民法改正～相続人以外の親族の「特別の寄与」～

同居してた義父の看護を頑張ってやり遂げたのに、
遺産相続の話し合いの時は思いっき蚊帳の外でした。

美子ちゃんも苦労したんだね。

いえ、親戚の叔母さんの話です。

あ、そうなの。

特に同居の場合は「介護は嫁」というイメージなんですけど。
頑張ったお嫁さんに相続権は無いんですか？

現行の民法では「寄与分制度」というのがあってね。

「寄与分制度」
被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与（貢献）をした相続人に対しては，遺産分割の際に，法定相続や指定相続分にかかわらず，寄与に相当する額の財産を取得させることができます。

貰える雰囲気じゃないですか！

ただし、これは「相続人であることが前提」です。

例えば、
被相続人の長男の嫁が、特別の寄与を行っていた事実があったとしても，現行の民法においては，この長男の嫁は遺産分割手続の中で特別の寄与を主張することはできないことになります。

お嫁さんは相続人には入らないから該当しないんですね。
一番貢献している気がするのに…。

今の民法が現状と合わないんじゃないか、ということで改正された内容がコレです。

改正後：
相続人以外の者であっても、「被相続人の親族」であって、被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした場合には、その寄与に応じた額の金銭を請求できることになりました（改正民法１０５０条の１項）。

「親族」とは…
(1)六親等内の血族
(2)配偶者
(3)三親等内の姻族

例えば，被相続人の従姉妹の子や孫もこの範囲に含まれることになります。

すごく広がった感じですね！

ですね。
今回の民法改正でより良い生活が送れるよう期待しましょう。

今回の専門家
大原 浩史（大原綜合法律事務所）